石塑粘土「ラドール」
材料は、パジコの石塑粘土「ラドール」です。
人形は石塑粘土でできています。
粘土をこねて年賀状用に人形を作るのはこれで6体目でした。
90年代には同じラドールのラインナップに、粒子の荒い芯材用粘土もありました。
柔らかくて取り回しが効いたので、人形の芯材には荒いのを使っていました。
残念ながら、今は生産されていないみたいです。
現在のパジコの石塑粘土のラインナップはこちら。
1)ラドール (私が使ったタイプ) 500g入り
2)ラドール プルミエ 300g入り
3)ラドール プレミックス 400g入り
4)アーチスタフォルモ 500g入り
ラドールは乾燥して固くなると耐久性も増し、彫刻刀などで削って好きな形に加工することができます。
紙やすりをかけて表面をスベスベにしたり、金属のやすりを使って大胆に削ることもできます。使いやすくて面白い素材なのでハマりました。
ちまたによくあるような紙粘土も使ったことがありますが、使用感は別物です。
特に(1)のラドールは、乾燥してからも重量感が出ること、乾燥してからの加工が効くことが紙粘土とは決定的に違い、仕上がりもきれいで使いやすいと思います。
連結はヒートンという金具
あやつり人形として動かせるように、粘土と粘土の間の関節部分はヒートンという金具で繋いでいます。
ヒートンの丸くなっている部分を開いて、連結させました。
売っている中で一番小さいサイズのを使いました。
▼これは見本用に、なんでも売ってる近所のスーパーで、最近買いました。
▼ヒートンのすき間にマイナスドライバーを差し込んで少し開き(写真右側)、知恵の輪をつなげるように連結します。
▼連結したらラジオペンチなどで締めます。
ヒートン2個で一組です。
このドラゴン人形に使われているヒートンは、今では青く錆びて?変色していました。当時こんな色に彩色してたっけ?と思いつつ、ネットで調べてみたところ、真鍮は空気に触れると酸化して、水分によって緑青と呼ばれる錆が発生するようです。
緑青と言えば、銅だよな…。
そう思い調べてみたら、真鍮って銅と亜鉛の合金なのだそうです。知らなかった。
作ったのは四半世紀近く前ですからね、そりゃ錆びもするわ。
作ったばかりの時は金ぴかだった連結部分も、今では青く変色しています。
指先のヒートン
あやつり紐をつけるために、指先にもヒートンを一個埋め込んでいます。
ま、埋め込んだというよりは、ヒートンの周りに粘土を盛って手の形に形成したかと思います。
手首と前腕も可動式になるように、連結ヒートンでつないでいます。
頭のてっぺんには単体のヒートンを一個付けています。頭のてっぺんが吊られることによって、背筋がピンと伸びて直立できるようになります。
本物のあやつり人形がどのように作られているか、当時ネットなどを使って調べたのですが、結局は探し出せず、苦肉の策で考えたヒートン連結でした。
あやつり人形の作り方
あくまでも、私流の作り方ですが…
1)まずはラドールを任意の大きさにまるめ、頭部から作ります。
目・鼻・口などの細かい部分は粘土ベラを使います。頭の大きさとバランスを取って、ボディー、次に手足等を作って乾燥させます。乾燥すると堅くなります。
2)乾いたらカッターや彫刻刀を使って形成させます。削り過ぎたら、粘土を盛って修正しながら、頭部と顔面、胴体、腕や脚など関節ごとに部品として完成させます。
3)形成が終わったら、紙やすりで表面をなめらかに整えます。
4)リキテックス ジェッソという下地剤を、筆やハケを使ってコーティングしてから、さらに乾かし、紙やすりで表面をなめらかにします。
5)アクリル絵の具で彩色します。
6)絵の具が乾いたら、バランスを見ながら連結ヒートンをねじ込んでパーツをつなげます。
…って、こんな文章だけで、作り方が伝わるかな?
撮影してからの後悔
四半世紀経った現在の目で当時の写真を見ると、おたけびをあげた口の中に白い歯をつけるべきだったなぁと思います。
何だか入れ歯を外した男が叫んでいる瞬間…みたいに見えて、残念です。
参考にしたブルース・リーの写真も、ほぼ歯が見えていたのに…。
自分では口をすぼめたイメージに作ったのですが、本番の撮影の角度で歯のない顔に見えてしまいました。
撮影に立ち会って、自分でもカメラマンさんのポラロイドの写真で確かめたのに、大きく引き伸ばして現像してから、口元のやすりがけの甘さ、造形の甘さに気づきました。
時、既に遅し。
毎回、どこかに作りの甘さが出てしまい、来年こそは納得の行く造形を!の連続でした。
ぶっつけ本番、年に1回だけ、しかも年末に焦って作ってたのが甘さの原因だったかもしれません。
次回は、衣装やメガネなどを紹介する【衣裳編】で。