第二回「FUKUDA塾」1995のワークショップについて、参加者に撮ってもらったスナップ写真と共にレポートします。この時作った私の作品は、残念ながら「大人の事情」で掲載不可です。

1995年の「FUKUDA塾」
資料になるスナップ写真を改めて探してみたら、なんとか出て来ました~。
今回の記事で紹介するカラーのスナップ写真は、95年の第二回に一緒に参加した「元友人とその友人」が撮ってくれたものです。
どーゆーこと?笑。
第一回のFUKUDA塾の開催を知った私は、申し込み期間が迫っていたので、可及的速やかに(笑)、私一人で参加したのですが、元友人からは「なんで誘ってくれなかったのぉ~!」と、マジで怒られました。で、次の年には誘ったら、一挙に二人追加になり、三人で参加することになりました。
今ではその二人とは音信不通となってしまいましたが(笑)、その時にスナップ写真を撮ってもらったことに、いま改めて感謝しなくてはなりません。

この写真は、「緑風荘」の大広間の舞台の前で記念に撮ってもらった写真です。舞台の上に掲げられた看板に
1995 FUKUDA塾
造形をとおして学ぶ 生活文化の豊かさ 快適さ
塾長・福田繁雄先生 主催・二戸市・二戸市教育委員会
と書いています。
もはや記憶にありませんが、きっと94年の第一回開催時にもこういった看板はあったのかもしれません。立派な看板が掲げられていることから、二戸市の福田繁雄さんに対する敬意と歓迎の気持ちが感じられます。
95年に作った時計の説明

こちらの写真は、座卓で集中して作業している時に知らぬ間に撮られた写真です。私は前年に参加して大体の流れがわかっていたので、作りたいデザインの下絵を原寸大に調整して、事前に準備して行きました。
準備したのは大好きなロイ・リキテンスタインのポップアート「M-MAYBE」のパロディです。著作権侵害になるので、完成した作品をブログに掲載することはできません。リキテンスタイン、M-MAYBE、等で検索していただけると、どの作品を元ネタにしたのか分かると思います。
プラス「時計の針をあえて10分遅らせて使用」という、謎の設定をしました。いわゆる細かすぎて伝わらない系のネタ、みたいな感じです。
実際の制作の手順
どのようにパロディにしたかを言葉だけで説明したいと思います。
①透明のアクリル板の表面全体に30×30㎝の黒いカッティングシートを貼り付ける。その上に下絵をスプレー糊で貼り、黒い輪郭線を切り出す。※上の写真は黒いシートの余分なところをはいでいる工程です。
イラストの目線の先は、時計の針を付ける左下に向ける。ふきだし内の文言を、M-MAYBE THIS CLOCK IS TEN-MINUTES LATE ! に改変。
和訳すると、「た、たぶん、この時計は10分遅れている!」です。
②黒いシートの不要な部分をはいだ面に、裏側から見えるように方眼紙をあてがう。アクリル板をひっくり返して、方眼紙を見る。(黒以外の色は全て裏面に貼る。)
シルクスクリーンで印刷された肌のドットを再現するのに、直径3mmの穴あけポンチでくり抜いた赤いカッティングシートの円を、方眼紙をガイドに規則正しく貼る。
③髪の黄色、階段の赤、窓や服の青を、アクリル板の裏面から貼る。
④全てのカッティングシートを貼り終わったら、裏全体に30×30㎝の白いカッティングシートを貼る。
⑤イラストの左下に開けておいた穴に時計の針をセットする。
…伝わったでしょうか?言葉だけだと難しいかもしれませんね。
原画のシルクスクリーンのドットを再現するのに、穴あけポンチで3mmの小さな赤い円を無数に切り出し、貼り付ける作業が大変でした。制限時間内で終わらせないと!と時間に追われ、焦りと闘いながら自分なりの「完璧」を目指してやってました。
ちなみに、作業に取り掛かる前に、事前に用意した下絵を福田さんに見せて「こんなの考えてきたのですが…」と一応見てもらったのですが、「決めて来たのならすぐにやりなさい」と言っていただき、ホッとしました。
すぐに取り掛かるように言われたのは、ドットの再現が大変そうだとの予測からだと思われます。実際、大変でした。
手伝いを拒んだ自分のこだわり
一緒に参加した友人が見かねて、ポンチで円を切り出すのを少し手伝ってくれたのですが、シートに対してポンチを垂直に当てていなかったので正円にならず、一部はラグビーボールみたいな形になっていました。涙。
私の「理想の円形」ではなかったので、内心イライラしてしまい、渡されたラグビーボール型のシートは貼ったふりをして、こっそり捨てたりしていました。←笑。
そして「やっぱ自分でやりたいから、手伝わなくていいよ~」とできるだけ角が立たないように、ソフトに断わりました。
でもそこから、ワークショップの終わりまで、ずっと微妙な空気になりました……。
他のことはどうでもいいゆるいタイプなのですが、こと自分の「創作」に対してはこだわりが強く、譲れないところもありました。ホント、面倒で嫌なヤツでした。
今の私なら「ダメダメ!これじゃ使えないよ~。ポンチは確実に垂直に当ててね!」などとハッキリと指摘しっちゃって、こき使って逆に離脱させそうですけどね。笑。

この写真は一緒に作業していた方々と撮ったスナップ写真です。スタッフの和山さんもいらっしゃいます。
ちなみにこの年は、中学や高校で「美術」を教えている先生が多かった印象でした。弘前出身の女性の先生もいらっしゃいました。
このワークショップが終わってから、彼女らのお勤め先の高校の文化祭を見に八戸まで行ったり、宮城で教えていらっしゃる先生のシルクスクリーン作品の個展を見に、仙台のギャラリーまで行ったりしました。
今はない、フットワークの軽さ。若かったな。
自分の中の満足感
完成後、前年のように一堂に会して作者によるプレゼンと、福田さんの講評がありました。
私の作品に対して、福田さんからどんなコメントがあったかは、正直よく覚えていません。あっさりとした感想で、特に褒められたりしていないから覚えていないのだと思います。笑。ま、パロディ作品だったし。
でも、私としては何かよい評価をいただくよりも、自分の部屋にお手製のポップアートを飾れる喜びの方が勝っていました。改めて離れて見てみると、ドットはわずかにずれていましたが、時間をかけて懸命に作ったので、自分では満足しました。
この年のワークショップで、自分ができる全てを出し切った気持ちがあって、次の年の第三回「FUKUDA塾」には参加しませんでした。
二戸市シビックセンター「福田繁雄デザイン館」
この記事を書くために、2024年の冬に連絡をとった二戸市教育委員会の方からいただいたメールには、1999年に設置された「二戸市シビックセンター」のことが紹介されていました。二戸市の市民の交流促進と科学技術の普及啓発を図る施設のようです。
この施設の2階には「福田繁雄デザイン館」と呼ばれる、福田さんの作品を展示している美術館があるそうです。福田さんの想像力や発想の素晴らしさを体験できる施設となっているとのことでした。常設展と企画展を開催しているようです。
▼二戸市シビックセンター
問い合わせをした2024年の冬頃は、福田さんがデザインした食器やカップを展示する企画展が開催されていたようです。
ちなみに現在は、岩手を拠点に活動する三人の女性デザイン書道家による特別企画展「和文字力」という書道展が開催されているようです。2026年1月18日までの企画展だそうです。
いつの日にか、新生・「緑風荘」と、二戸市シビックセンター2階の「福田繁雄デザイン館」をぜひ訪れてみたいと思います。すっかりフットワークが重くなっていますが。
これで「FUKUDA塾」については終わります。